ライカで撮った私の世界

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シャッター音

Photo by Masakazu Inatomi

カメラ:iPhone 12 Pro(Raw撮影)

 

僕が仕事として写真を撮るようになったばかりの頃、ある女優さんの舞台のゲネプロで、舞台監督から「そのシャッター音、何とかしろ!」って怒られた事があった。その時使用していた機材が EOS 1DX 。 ピアノリサイタルとかだと別のカメラを持って行くし、シャッターを切るタイミングにも気を使っていたけど。 その時の舞台は、リハーサルから何の問題なく撮影してたし監督もいたのに。たまたまゲネプロの時に僕のすぐ近くに居たからかもしれないけど。

それからシャッター音に対しての想いが変わっていった。それまで何にも感じなかった挙式披露宴、特に花嫁さんがお父さんに手紙を読むシーンなどで、シャッターが切れなくなっていった。よくよく考えるとシャッター音って邪魔だよなって思って。

 

大きく黒い威圧感のあるカメラと「ガシャ~ン」と鳴る大きなシャッター音が、クライアントに対してのアピールと思っていた時期もあった。 それに、その大きな音のシャッター音が好きだし何より気持ちよかったから。

 

ミラーレス機に変わっていき、そのシャッター音も小さくなったけど、静かな場所での撮影では、まだまだ邪魔な機種が多い。 また味気ないシャッター音の機種が多い気がする。

 

年月が経ち、シャッター音に気を使わないとダメな現場での仕事はやめていったので、現在はシャッター音が鳴っても平気な現場ばかり。 ストレスなく楽しんで撮影してる。

 

Leica M10-Rの好きな理由の一つに「コトり」と静かで上品に鳴るシャッター音が上げられる。これまでに経験した事がないシャッターが降りる時の感覚と音。

相手に威圧感も与えにくく自然な表情が撮りやすい。先日は97歳のご婦人の素敵な笑顔も撮れた。これまでの大きな威圧感のある機材だと難しかったかなぁって振り返って思った。

まぁカメラに興味がない人からしたら、それすらただの自己満足に過ぎないのだろうけど。